— James Riney🐠Coral Capital (@james_riney) January 21, 2026
あるベンチャーキャピタリストが書いた「日本の出生率の話はもうやめよう」という文章を読んだ。主張の骨子は、出生率低下は30年以上前から指摘されており既に手遅れであること、出生率が改善しても人口減少は避けられないこと、したがって「少子化対策」ではなく「人口減少社会でどう生きるか」を議論すべき、というものである。
一読して感じたのは、これは「諦め」ではなく「楽観的な現状肯定」ではないかということだ。
元の文章では「出生率向上策は長期的な効果しかなく、目前の問題解決にはならない」と述べられている。しかし、これは逆ではないか。効果が出るまで時間がかかるからこそ、今すぐ着手すべきなのである。
30年放置してきたことの反省が、「もう手遅れだからやめよう」ではなく「これ以上遅らせてはいけない」であるべきだ。長期的課題を「目前の問題ではない」として先送りし続けた結果が、今の状況なのではないか。
文章では、日本が比較的「持ちこたえている」という認識が示されている。確かに2024年の就業者数は増加したようだが、これは本当に構造的な改善なのだろうか。
【要調査】2024年の就業者数増加の背景
「今はなんとかなっている」という現状維持バイアスこそ危険である。出生率は遅効性の指標であり、今の数字が20-30年後の社会を決定づける。構造的問題を放置すれば、崩壊は突然やってくる。
元の文章では「女性や高齢者の労働参加促進」が解決策の一つとして挙げられている。しかし、これには大きな疑問がある。
まず、私自身の実感として、長生きしてまで働きたくない。たとえ健康であっても、である。「働ける高齢者は働くべき」という規範的な議論と、「働かざるを得ない社会構造」は区別されるべきだ。
また、高齢者が働いているという事実と、それが望ましいかどうかは別問題である。高齢者の雇用が若年層の雇用を圧迫している可能性もある。世代間での労働市場の競合という視点も必要だろう。
【要調査】高齢者就労の実態
元の文章は「生産性向上とイノベーション」を重要な柱として挙げている。しかし、「日本発のイノベーション」というのは、あまりにも不確実性が高く、政策目標としては曖昧すぎるのではないか。
むしろ必要なのは発想の転換だろう。縮小する国内市場に固執するのではなく、既存の強みを活かして世界市場にものやコンテンツを売っていく戦略の方が、よほど現実的で確実性がある。
結局のところ、この文章は「出生率の議論をやめよう」と言いながら、実は「構造改革の議論もやめよう」と言っているのではないか。
出生率向上には、家族政策、ジェンダー規範、労働環境、教育コストなど、複雑で対立を生みやすい論点が絡む。「もう手遅れだから別の話をしよう」は、こうした面倒な議論を回避する言い訳にも見える。
イノベーションという不確実な解決策に賭けることで、社会保障改革や移民政策といった「政治的にコストの高い選択」を先送りしているだけではないのか。
「日本の出生率の話はもうやめよう」という主張は、一見現実的に見えて、実は楽観的すぎる現状肯定であり、本質的な問題から目をそらしているように思える。
出生率の問題も、人口減少社会への対応も、どちらも必要な議論である。二者択一ではない。長期的課題だからこそ今すぐ取り組むべきであり、「持ちこたえている」という認識こそが危険なのだ。
もちろん、私自身の視点も限定的である。上記の【要調査】項目について、さらに調べて考えを深めていきたい。
『こんにちは 弱いロボット』(作:岡田美智男/絵:早川世詩男)が届きました。
絵本と聞いていたので子ども向けだろうと思っていましたが、AI・ロボットが強さを競う時代に「弱さ」を実装することの利点がしっかり描かれていて、弱いロボットのことを比較的よく知っている自分にも読みごたえがありました。絵も、岡田先生やICD-LABのゆるい(失礼)雰囲気がよく出ていると思います。
偕成社さんにご恵投いただいたのは、fabcrossに掲載していた「弱いロボット」記事の写真をこの本で使いたいとご相談を受けてやり取りしたから。
豊橋技術科学大学ICD-LAB「弱いロボット」に学ぶものづくりのアイデアのヒント
https://htby.posthaven.com/fabcross-20210924-weakrobot
10月いっぱいで1つレギュラーの仕事が切られ、少し時間のゆとりができたので、以前から考えていた自分のメディアを作ってみることにした。
記と憶 Ki to Oku
https://ki-to-oku.ghost.io/
テーマは、「記憶」と「記録」。このテーマを選んだ理由はいくつかある。
自分がこれまで触れてきた物語や創作物の中で、特に心に残っている作品で「記憶」が鍵になっていると気づいたのが最初。忘却、喪失、改ざん、再生など、記憶にまつわるテーマに「なぜ自分は、これほど心を動かされるのか」という問いがあった。
あと、メディアのテーマは大きすぎても小さすぎてもいけない。基本的に一人で運営するつもりなので、あまり広げすぎると手に負えないし、内容も散漫になる。狭くしすぎると興味を持つ人が限定されてしまうし、ネタも尽きやすく、おそらく自分も飽きてしまいそう。
「記憶」と「記録」という軸であれば、普遍的な問いを扱えるだけでなく、これまで仕事で関わってきたテクノロジー分野も範疇に入ります。
半導体メモリやデータストレージといった物理的な記録から、AI、量子コンピュータ、ブロックチェーン、BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)、さらには神経科学や心理学、公文書管理やその改ざんといった政治的・倫理的な問題、デジタルアーカイブの永続性といった社会課題まで、多方面の話題を扱える。
これまでは「依頼を受けて書く仕事」が中心だったが、自分の「母艦」となるメディアを持つことで、すべての仕事に良い影響が生まれそうな予感がある。一つのテーマを定点観測することで、世の中の見え方が変わり、インプットの質も変わる。この場所を少しずつ育てるために、普段の仕事の効率を高め、隙間時間を大切にしようという意識も生まれる。
プラットフォームには「Ghost」を選んだ。理由はGhost自体がActivityPubに対応していること。2年ほど前からSNSはMastodonをメインとしてきて、Fediverse(分散型SNS)に好感を持っていたから。Ghostは日本語ユーザーがまだ少ないが、Fediverse連携の可能性を感じている。
生成AIをフル活用している。文章を書くことはもちろん、記事のネタや企画・構成についての相談、ロゴやプラットフォームのデザイン設定の相談、記事につける画像を生成するためのプロンプト作成など。英訳もしてもらっていて、Mediumに『記と憶 Ki to Oku Annex』として載せているので、よければ覗いてみてください。
ちなみに10月で切られた仕事がなぜか再開することになり、また少し忙しくなりそう。
]]>しばらくATOK Passport [ベーシック]を使っていたんだけど、[プレミアム]に統合されて税込330円から660円になるというので反射的に解約してしまった。
だいぶ前に2chまとめか洒落怖で読んで印象に残っていた話があったのだけど、また読もうと思って探しても見つけられなかった。でも昨晩たまたま寝付き用に聞いていたYouTubeの朗読チャンネルでこの話が流れてきて「これだーー!」ってなった。ここ数年たまに思い出しては見つからずもやもやしていたので超スッキリ。
【朗読】島根県にある閉鎖された村 - YouTube
東京大学 学内広報 NO.1599 淡青評論 第1184回「AIを引っ提げてやってきた大学院生」
いい文章だし、お手本にしたい良い文章。
過不足がなく、筆者が率直にたまげたり恐れたりしていて、院生の顔や佇まいが目に浮かぶようだ。
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ジャケ買いした
ここ数カ月、Netflixで日本のテレビドラマをいくつか観た。うちのテレビは10年以上前に捨てたし、その前からドラマはあまり観てこなかったので久しぶりだ。
観たのは「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」「イノセンス 冤罪弁護士」「アバランチ」。出演者の内田有紀や瀬戸朝香、吉田栄作、仙道敦子、ともさかりえ、酒井美紀、木村佳乃、国生さゆり、思い出せるのはこの辺りかな。若い頃のキラキラしたイメージしかない人ばかりだけど、みんないい歳になっていい演技をしていて、時の流れを感じたし、同じ時間を生きてきたんだなぁと感慨深い。
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SHIBUYA DIVEで行われた、nano.RIPE DEBUT 15th ANNIVERSARY ONEMAN 「みずのもんしょう」に行ってきた。3週間くらい前にチケットを買ったものの、正直行こうかどうか迷ってた。直前に雨も降ってくるし。だけど、行っておいてホントよかった。
nano.RIPEのワンマンは今回でたぶん4回目かな。あとはアニメ関係のフェスとか、深窓音楽演奏会で1回ずつのはず。「シングル全曲披露」を謳っていて盛り上がらないわけがないライブだったけど、きみコさん、今まで観た中でも一番楽しそうにしていたな。およそ2時間半たっぷり楽しんだ。きみコさんの、うたっていないとき(というか間奏のとき)、横に大きめに揺れる独特なステップを踏みながらギターを弾くんです。それが美しくて眺めるのが好きなんだよね。nano.RIPEのライブに行く理由の大きなものの1つ。
nano.RIPEを初めて知ったのは、のんのんびよりのOPだったので、「なないろびより」と「こだまことだま」が聴けるとうれしい。あとはやはりタオル回し曲「リアルワールド」。最近の曲はあまり聴いていなかったので、普段から聴いておこうと思う。
今日のドラムは初めて見た人だったけど、好きなドラムだった。ステージでは「ショート」と呼ばれていて気になったのだけど、XでライブのことをつぶやいたらLikeを付けてくれた。三隅憧人(みすみしょうと)さんという方だった。いろんなバンドで叩いているようで、さっそくXでフォローした。
(10/4追記)当日の模様がYouTubeで公開。
]]>内面自己の反省は常に秋の霜のように冷厳に行ひなさい。自分のことは寛大であつては、人を尊重し得ない訳で、結局苦境に堕ちる。
たしか八幡山に住んでいた頃だったと思うからたぶん20年くらい前、正月に神社で引いたおみくじに書いてあった言葉がとても気に入っている。いつもこの通りできているとは全く思わないが、心がけるようにしたい。
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2006年頃かな。台所でタコを切っていると桐が寄ってきたところの写真。八幡山に住んでいた頃だ。誰が撮ってくれたんだっけ、これ。
]]>任意のURLが設定できないため、タイトルに入った英数字はそのまま、かなはローマ字、漢字は中国語の読みという妙な感じになってしまう。今までは最初にアルファベットだけのタイトルを入れてPublishして思い通りのURLを作成し、それから再度タイトルに日本語を入れて保存するというようにしていたが、まあ馬鹿馬鹿しいのでやめにする。
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柏のキネマ旬報シアターで映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』を観てきた。「面白いらしい」という以外の事前情報は全くない状態で観たおかげか、かなり楽しめた。見せたいものがはっきりしている映画はいいね。2時間超えだったし、肩に力が入って疲れた…。あとやっぱり刃物は苦手。
CGを使ったアクションは迫力があるし、CGでないと作れないシーンもあるので使うのはいいんだけど、やっぱりどこか身体性のリアリティみたいなものは失われて、そのぶん旧い香港映画っぽさは薄れていたように思う。ただ、それを補って余りあるスペクタクルは十分満足できるものだった。そして龍捲風がかっこよすぎた。観てる途中で何度も煙草が吸いたくなった。
クレジットで日本人の名前が気になった。音楽の川井憲次氏と、アクション監督の谷垣健治氏。谷垣健治氏のことは知らなかったのだけど、メイキング動画観たら広東語を普通に喋っていて、この作品の肝とも言える部分を作ったのだと思うと「すごい」の一言しかない。
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意外とまだ咲いてた。桜の名所もいいけどだいたい人が多いか酒臭いので、街なかで咲いている桜のほうが好き。
]]>「一文の文字数」と「句読点までの文字数」はいまいちピンとこない数字。
1週間前の3月18日に、「fabcross」と「fabcross forエンジニア」が3月いっぱいで終了・閉鎖になるというお知らせが届いた。
「fabcross」、「fabcross forエンジニア」サイト閉鎖のお知らせ | fabcross(魚拓)
自分がfabcrossのニュース系記事の原稿チェックに関わり始めたのが2020年1月。最初に書いた記事が載ったのが2021年2月。で、2024年6月いっぱいで、こちらの都合で編集から退かせてもらうことに。なので最近は一読者だった。編集に関わっていた頃、期末になると「来期も継続できるか?」という話が持ち上がってはいたのだが、最後はあまりに急な決定でびっくりはした。これだけのコンテンツは間違いなく資産だと思うのだけど、ただ消してしまうのはホントに惜しいよなぁ。
10周年のときに淺野義弘さんが書いてくれた記事を貼っておこう。
積み重ねて1万本超! 10周年の歩みを人気記事と振り返る【#fabcross10周年】 | fabcross(魚拓)
MONOistの八木沢篤さんの編集後記に涙。
fabcrossに敬礼!:メカ設計メルマガ 編集後記 - MONOist
少しだけ手伝わせていただいた『AI白書2025 生成AIエディション』が届いた。普段の仕事のほとんどはWebだけど、たまに紙の仕事するとこの瞬間はちょっと嬉しい。
味噌汁のお椀を持ったら「熱っ」となって、見たらひびが入っていた。こんなふうに割れるんだ。いつ買ったかも覚えてないけど少なくとも15年は使っているから仕方ないか。同じ物がもう1つあるので明日からそれを使おう。
伊藤詩織さん、名誉毀損で東京新聞の望月衣塑子記者を提訴 映画を巡る記事は「事実と異なる」 望月記者「誤りはない」 | 沖縄タイムス+プラス
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1526074
東京新聞の望月衣塑子記者が書いた事実と異なる記事で名誉を毀損(きそん)されたとして、ジャーナリストの伊藤詩織さんが10日、望月記者に330万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。
という報道があった。以下は補足的に読める記事。
オスカーの栄光か、それとも倫理違反か?──『Black Box Diaries』の二重構造はこう起きた|@Globe🌏蓮実 里菜
https://note.com/globe__2016/n/nd369a9d2d415
たまたまな日々・ここ最近考えていること | たまたまな日々
https://ogatama.theletter.jp/posts/5ff1cae0-ea8e-11ef-92d3-3d2edd43ebf1
伊藤詩織さんが何を考えているのか分からなくてちょっとホラーっぽくなってきた。
]]>「何か目的があって」ではなくルーチンとしての情報収集、主にネットでの話。
以前はInstapaperに関連リンクを保存していた。Instapaperは、保存したリンクに「Like」を付けると自動的にTwitterに投稿する機能と、保存したリンクにInstapaper上でコメントを付けるとそのコメントとURLを自動的にTwitterに投稿する機能がありとても重宝していた。(ちなみにPinboardやEvernote、Tumblrにも同様に自動投稿が可能だった。最近は連携・投稿先にNotionも追加されている)
Twitterで発信すると、ちょいちょい反応があったり、そこからさらに関連の情報を誰かに教えてもらうことができたりしていて有用だった。
それが、いつからか度々Twitterと連携が上手くいかなくなり、イーロン・マスクがTwitterを買収した後くらいだったと思うが、それ以降はもう完全に連携できなくなってしまった。
というわけで、別の情報収集フローを長らく模索している。
Instapaperがもう一度やる気を起こしてくれるといいんだけどな。