自分のメディア『記と憶 Ki to Oku』を始めた

10月いっぱいで1つレギュラーの仕事が切られ、少し時間のゆとりができたので、以前から考えていた自分のメディアを作ってみることにした。

記と憶 Ki to Oku
https://ki-to-oku.ghost.io/

テーマは、「記憶」と「記録」。このテーマを選んだ理由はいくつかある。

自分がこれまで触れてきた物語や創作物の中で、特に心に残っている作品で「記憶」が鍵になっていると気づいたのが最初。忘却、喪失、改ざん、再生など、記憶にまつわるテーマに「なぜ自分は、これほど心を動かされるのか」という問いがあった。

あと、メディアのテーマは大きすぎても小さすぎてもいけない。基本的に一人で運営するつもりなので、あまり広げすぎると手に負えないし、内容も散漫になる。狭くしすぎると興味を持つ人が限定されてしまうし、ネタも尽きやすく、おそらく自分も飽きてしまいそう。

「記憶」と「記録」という軸であれば、普遍的な問いを扱えるだけでなく、これまで仕事で関わってきたテクノロジー分野も範疇に入ります。

半導体メモリやデータストレージといった物理的な記録から、AI、量子コンピュータ、ブロックチェーン、BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)、さらには神経科学や心理学、公文書管理やその改ざんといった政治的・倫理的な問題、デジタルアーカイブの永続性といった社会課題まで、多方面の話題を扱える。

これまでは「依頼を受けて書く仕事」が中心だったが、自分の「母艦」となるメディアを持つことで、すべての仕事に良い影響が生まれそうな予感がある。一つのテーマを定点観測することで、世の中の見え方が変わり、インプットの質も変わる。この場所を少しずつ育てるために、普段の仕事の効率を高め、隙間時間を大切にしようという意識も生まれる。

プラットフォームには「Ghost」を選んだ。理由はGhost自体がActivityPubに対応していること。2年ほど前からSNSはMastodonをメインとしてきて、Fediverse(分散型SNS)に好感を持っていたから。Ghostは日本語ユーザーがまだ少ないが、Fediverse連携の可能性を感じている。

生成AIをフル活用している。文章を書くことはもちろん、記事のネタや企画・構成についての相談、ロゴやプラットフォームのデザイン設定の相談、記事につける画像を生成するためのプロンプト作成など。英訳もしてもらっていて、Mediumに『記と憶 Ki to Oku Annex』として載せているので、よければ覗いてみてください。

ちなみに10月で切られた仕事がなぜか再開することになり、また少し忙しくなりそう。